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Gensou-roku Archive log : Copyright(C) 2010-2014 Yio Kamiya., All rights reserved.

カテゴリー「錆びた銃は語らない - aim the rusted gun」の記事一覧
留置所で目を覚ましたリオは、ほとんどの記憶を失っていた。
記憶を取り戻す為、「自分にしか聞こえない声」を頼りに放浪の旅に出る。
何故追われ、命を狙われているのか。
自分は何者だったのか。
そして、「声」の正体は誰なのか。

全てを取り戻した時、失われる。

エブリスタ版
(基本的に内容は同じです)
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八月十一日。
 夏にしては肌寒く、機嫌を著しく損ねた空は不穏な音を立てながら頭上を覆っていく。
 遠くに見える空には入道雲が並び、人々はそれから逃げるように足早に道を歩く。
 人が歩くより早く空を覆っていく入道雲は間もなく空を灰色に染め、ここぞとばかりに轟音を立てて暴れ始めた。大粒の雨が降りだし、雷の閃光が木や家のアンテナに向かって落ちていく。
 雨宿りの宛のない人々の一人たるリオは、雨に打たれながら屋根のある場所に駆けていく人々を無関心に眺めていた。遠くで電車の音が聞こえ、後に続いて傘を差した人々がぱらぱらと通り過ぎていく。
 無関心に通り過ぎていく人々を眺め飽きたリオは俯き、その場から去ろうと歩きだそうとした。

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格子の張られた窓は高く、差し込む陽射しはぼんやりとした光となって降り注ぐ。
 春の陽射しのような軟らかさとは裏腹に部屋の中は肌寒く、熱を帯びた体に程よい眠気を誘う。
 「―…」
 甘い眠気から意識を引き剥がし、男は横たわったまま首を動かして辺りを探る。

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よく来たの。平行世界の迷い子よ
 儂は始まりの鬼子。今はヤヱと呼ばれておるな
 …隻腕の鬼神? ああ、終わりの鬼子のことか
 あやつはもういない。三年前の話じゃったかのう

 じゃが、呪いを受け継いだ孤独の子なら生きておるぞ
 日はまだ高い。折角じゃ、ひとつ彼奴の話を聞いてから帰るが良い。

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