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カテゴリー「錆びた銃は語らない - aim the rusted gun」の記事一覧
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留置所で目を覚ましたリオは、ほとんどの記憶を失っていた。
記憶を取り戻す為、「自分にしか聞こえない声」を頼りに放浪の旅に出る。
何故追われ、命を狙われているのか。
自分は何者だったのか。
そして、「声」の正体は誰なのか。

全てを取り戻した時、失われる。

エブリスタ版
(基本的に内容は同じです)
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三月十七日。

 春一番が過ぎ、ようやく暖かくなり始めても海沿いは未だに寒さが残っていた。
 さほど遠くない場所に見える港からは凪いだ海を滑るように客船が出港し、残った人々が船に向かって手を振っているのが見える。

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志島の抱く憎悪は、思い込みと勘違いから生まれたものだった。
 「刑事の兄ちゃんなら知ってるだろ。こいつが俺の親父とおふくろを殺した犯人だって」
 夏の追憶から現実に意識が戻る。
 志島の言った言葉が噛み砕けず思考が滞っていたが、意識が目の前の現実に戻るにつれようやく理解した。

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「老夫婦殺害事件…?」
 夏の記憶が曖昧なリオには聞き覚えのない出来事だった。
 志島の言葉を鍵に、鏑木は夏に起きた事件の記憶を漁る。
 何に気付いたのか、ハッとした顔で暁は志島を見た。

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十一月十九日。

 「―…した。CMの後、引き続きニュースをお知らせいたします」
 騒がしい邦楽の伴奏が耳につき、薄れていた眠気が掻き消されていく。
 晩秋の空は既に日が傾き始め、適度な遮光効果があるブルーシートのテント内はそれよりも暗い。

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時は少し遡り、リオがテントを出ていった後。

 僕はリオを追いかけず、テントに残った。
 ああいう時は誰が何を言おうと馬の耳に念仏だ。頭が冷えるまで放って置けばいい。
 八つ当たりに腹を立てたとか、決してそういう大人気ない理由ではない。

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十月五日。

 「兄ちゃん!リオの兄ちゃんじゃねえか!」
 公園で顔を洗っていた志島は、リオの姿を見るなり大慌てで走り寄ってきた。
 その目には涙が溜まっているのが見える。
 「良かった…!死んじまったんじゃねーかってずっと心配してたんだぜ」
 「…すいません、でした」
 皺だらけの顔を更に皺くちゃにして泣く志島を前に、リオはただ謝るしかできなかった。

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 光が、見える。
 ゆらゆらと形を変えるそれは碧く、眩い。
 水中から空を見上げて漂っているような、ふわふわした気分だ。
 ぼんやりした意識の中、最後に見た現実の景色を思い出していた。

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広場まで走り抜けると、土と草の刃はピタリと止んだ。
 辺りを見回すと、歴史の深さを窺わせる木造家屋が何棟も倒れている。どうやらここが水神村で間違いないようだ。
 「…なんだこれは」
 『彼』が感じ取ったらしい違和感はリオにも分かった。

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同日の午後。

 外の光が入り、且つ、かろうじて雨宿りができる程度の深さまで洞窟に入り込んだ暁は、途方に暮れた様子で空を見上げていた。
 淀んだ空は時折光り、唸りを地に響かせて不安を煽る。雷が怖いという歳ではないが、度重なる不運と恐怖体験に不安を抱かずにはいられなかった。

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